旧福田家
旧福田家
旧福田家は、長崎街道から少し離れている昔は武家地であった「通小路」沿いに位置します。
明治初期に福田又造が土地を獲得し土蔵を新築した後、1918(大正7)年に又造の息子で佐賀を代表する実業家として、数多くの企業を経営した福田慶四郎が母屋を建てました。
1926(大正15)年に数奇屋への廊下が増築された他は、大きな改装は行われず、また住居として使用されていた期間が比較的短かったことから、大正期、技術と芸術が頂点を極めた時期の近代和風建築の姿が大変良い状態で残っているのが特徴です。建物の内部は細部に至るまで丁寧な造りとなっており、落ち着いた佇まいの中に華麗な表情を見せています。またステンドグラス窓の洋風応接間や各部屋から見渡せる大小の庭など、和と洋の洒落た趣が堪能できます。
慶四郎の没後も佐賀県議会議員会館として活用されるなど、佐賀の移ろいを見守ってきました。現在は佐賀市歴史民俗館として、また佐賀錦振興協議会の活動拠点ともなっており、佐賀錦の織り実演や体験も行われ、新たな歴史を刻んでいます。
佐賀錦
伝統工芸手織り「佐賀錦」は金、銀、漆を貼った和紙を細かく裁断したものを経糸、絹の撚糸を染色したものを緯糸として作られた織物です。網代、型、菱などの伝統的な紋様が一般的で、精緻な作業を要するため、一日わずか数センチしか織りすすめることができないと言われています。
その為、袋ものなど実用品が多いのですが帯なども制作されています。美術品としましては、手作りの素朴で暖かい魅力と絢爛豪華で気品のある優雅な美しさを併せ持っており、日本美術工芸品の白眉と称されています。
佐賀錦は1993(平成5)年に佐賀県より「伝統的地場産品」の指定を受け、さらなる普及や後進の育成を目的として「佐賀錦振興協議会」が設立されました。同協会は現在、佐賀市歴史民俗館・旧福田家を拠点に初心者講習会を実施されています。
開館時は、旧福田家において佐賀錦実演の見学や作品の購入・手織り体験が可能です。
一日体験会や初心者講習会への参加をご希望の方は事前予約が必要です。
事前予約、その他佐賀錦に関するお問い合わせは、佐賀錦振興協議会スタッフまでご連絡ください。
詳細はこちらをご覧ください。
佐賀錦振興協議会
- 住所
- 〒840-0831 佐賀県佐賀市松原4丁目3番15号
佐賀市歴史民俗館・旧福田家内
- TEL
- 0952-22-4477(ファックス番号同じ)